オリエンテーリング雑記

オリエンテーリングについて何か書きます。

JOAの競技規則改正、何が変わったのかまとめた - 競技規則編

久々の更新です。Ritoです。

2023/5/20にぬるっと競技規則とガイドラインが改正されたのですが、思ったより知られてないっぽいのと、何が変わったのかまとめてくれ~~という声があったので、ブログにまとめることにしました。原文に当たってほしい気持ちもあるので、このブログと原文のPDFを同時に眺めつつ読むといい感じかなと思います。

規定類 – 日本オリエンテーリング協会
この中にあります。

項目順か重要度順か迷ったのですが、項目順にした上で、変更の重要度を☆で表示する方針にしました。 重要度は、フットOの競技者/運営者目線で僕が独自に付けた指標なので、違和感があったらコメント頂ければと思います。 追加は、削除は赤打ち消し線で表記します。

簡単なまとめ

競技者から見て明確に変わるのは、隣ポとかの場合でも失格にならなくなったことと、順位外の理由の掲示くらいだと思います。
運営者的にはプラスで立入禁止区域の現地での標示の義務が大きな変更点といえそうです。後述しますが、あとは全体的に縛りが強くなったことくらいでしょうか。

全般的な変更

全般的な変更として挙げられるのは以下の3点です。

1. ~する(shall)から~しなければならない(must)への書き換え
2. IOF規則の改正に伴っての改正
3. 日本ランキング発足に伴う改正

1点目は、IOFの規則改正の中でも全体的に変更があったもので、

“shall” changed to “must” throughout

とある通り、多くのshallがmustになりました。おそらくですが、規則から曖昧さを消すことで、運営も競技者もやりやすくするための変更なのかなと思います。

2点目は、IOFが最近規則を結構頻繁に変えておりまして、ここ2年分の変更をまとめて更新した形です。

3点目は、日本ランキングが正式に動き始めたので、定義周りに追加された形です。

1.定義

☆ 1.10 ランキング大会の定義

1.10『日本ランキング規則』にしたがって開催される大会をランキング対象大会という。

日本ランキングの定義がついに盛り込まれました。

☆ 1.11 イベントアドバイザーの定義

1.11 イベントアドバイザーは、全日本大会、公認大会およびランキング対象大会をコントロールするために指名された者をいう。

1.10の追加に合わせて追記された形ですね。EAの範囲が広がって……うれしい! 先日自分もJOAの正EAになったので、ご依頼お待ちしております。

2.総則

☆☆ 2.4 追加規定の掲載

2.4 「競技規則」および追加規定は、すべての競技者、チーム・オフィシャル、およびその他大会組織と関係を持つ者、あるいは競技者と接触する者に適用される。最終のブリテンには、すべての追加規定を掲載する しなければならない。

mustシリーズ最初の登場。より強い縛りになりました。ただ、逸脱事項はあっても追加規定を設ける機会は殆どないのであまり影響はなさそう。

☆2.7 関連規則類の追加

2.7JOA 理事会および所管の委員会は、規則および基準等を別に定めることができる。以下のものがある。これらを総称して「関連規則類」という。
(略)
『日本ランキング規則』

ランキング規則関係ですね。実は9個も関連規則があります。

3.競技会の開催

☆3.4 公認大会の認可取り消し

3.4 もし公認大会の主催者が、「競技規則」、「関連規則類」、イベントアドバイザーの指示、あるいは申請時に提出した事項を守れない場合は、JOA は競技会の認可を取り消すことができる。この場合に主催者は損害賠償を要求することができない。

今までも対象は公認大会のみだったと思われますが、明記されました。

☆3.6 ランキング対象大会の開催

3.6 ランキング対象大会の開催については、『日本ランキング規則』で定める。

日本ランキングシリーズ。

6. 競技会についての情報

☆☆6.1 公式情報の公開

公式の情報は、書面で通知する しなければならない。緊急の場合およびチーム・オフィシャル・ミーティングの質問に応える場合に限り、口頭での通知が認められる。

mustシリーズ。書面をしっかり作る必要があります。

☆☆6.2 ブリテンの公開

6.2 主催者あるいはイベントアドバイザーからの情報は、ブリテンとして公表される。ブリテンは文書またはJOA Web サイトからリンクが貼られる形で公表する。希望する者には文書形式のブリテン3 を送付する。

全日本ではまだ郵送対応してると思いますが、規則からはついに郵送対応についての記載が消えました!!! 時代は電子化や……

☆ 6.7 ブリテンの公開期限

6.7 ブリテン1(開催予告)は競技会の6 カ月前までに公表する。ブリテン2(大会要項)は競技会の2 カ月前までに公表する。ブリテン3(プログラム)は競技会の1 週間前までに公表する。

表記が一文になっただけです。

8. モデルイベント

☆8.1 モデルイベントの開催タイミング

8.1 競技会の最初のレースの前日までに、テレインのタイプ、地図の品質、コントロールの特徴物、コントロールの設置、給水ポイントおよびマークト・ルートについてデモするモデル・イベントを実施することが望ましい。

前日より前にモデル・イベントを開催していいよ~という記述になりました。

9. スタート・リスト

・が入りました。

☆☆ 9.10 マス・スタートのコース振りの秘匿

9.10 マス・スタートでは、複数のコースの組み合わせを用意して各チームに割り当てる。コースの組み合わせおよび割り当ては、最終の競技者がスタートするまで秘密にしておかなければならない

mustシリーズ。今まで通りなので影響はほぼナシ。

11. テレイン

☆☆ 11.4 地権者・管理者からの許可

11.4 立入禁止となっているエリアに入る必要がある場合は、主催者が事前に地権者・管理者などから許 可を得ておく なければならない

mustシリーズ。 元々立入禁止となっているエリアに入るために許可を得るのは社会常識ではある。

☆☆☆ 11.5 権利の尊重

11.5 エリア内では、自然保護、営林、狩猟 等のすべての権利が尊重され なければならない

mustシリーズ。昨今自然保護との共存はオリエンテーリング界でも意識されるようになりましたね。

12. 地図

☆☆☆☆ 12.2 地図の縮尺

12.2 ロング・ディスタンス競技の地図縮尺は1:15000 または(イベントアドバイザーが承認すれば)1:10000 とする。ミドル・ディスタンス競技およびリレーの地図縮尺は1:10000 とする。スプリント競技(スプリントリレーを含む)の地図縮尺は1:4000 とする。

ロングで1:10000の地図を使用することは、EAの承認があれば必要規則の逸脱に当たらなくなりました。
IOFルールだとこの項目ではなく、15.9節にWREやROC(Regional Championships、AsOCとか) 用として記載されています。

13. コース

☆☆ 13.2 コースの水準

13.2 コースの水準は、競技会にふさわしいものとする でなければならない。競技者のナビゲーション技能、集中力、および走る能力が試され なければならない。すべてのコースが様々な範囲のオリエンテーリング技術を要求する されなければならない

mustシリーズ。 全部満たしてたほうが良いのはそう。

☆☆☆☆ 13.6 リレーのパターン振り

13.6 リレー競技では、コントロール順はチームによって別々の並びになるが、全体としては全チームが同じコースを走ることになっていなければならない。テレインとコース・コンセプトによっては、各走区の距離が大きく異なるようにしてもよいが、各走区のトップタイムの合計 優勝設定タイムは規定通りになるようにする。走区の距離が大きく異なる場合、その走区ごとの距離の配列は、全チームで同一でなければならない。

mustシリーズと思わせつつ、リレーの優勝設定が「各走区のトップタイムの合計」から「チーム全体の優勝設定タイム」に変わっているという地味に大きな変更です。まあ各走区に最強選手が来た想定タイムの合計だと、上位はまだしも中位ですらフィニッシュが伸び伸びになりそうなので良い変更な気がします。

☆☆ 13.8 Eクラス男女のコントロール分離

13.8 E クラス(決勝レース)において同時にレースが進行するのであれば、女子のコースと男子のコースで別々のコントロールを使用するのが望ましい。

まるまる削除されました。まあ国内だと死に規則になってたし……

14. 制限されているエリアおよびルート

☆☆14.1 規則や指示の遵守

14.1 環境保護のために定められた規則や、主催者からの関連する指示は、競技会に関わるすべての者が遵守する しなければならない

mustシリーズ。規則や指示は……守ろう!

☆☆☆☆☆ 14.2 立入禁止の記号

14.2 立入禁止または危険なエリア、禁じられているルート、横切ってはいけない線状特徴物などは、地図上で表記する しなければならない必要ならば 競技者が明瞭に判断できないところでは、現地でも標識をつけ なければならない。競技者は、このようなエリア、ルートあるいは以下の記号で記した特徴物に立ち入ったり、その上を通行したり、横切ったりしてはならない。
該当するのは下記の記号である。
ロング、ミドル、リレー
ISOM 520 立入禁止区域
ISOM 708 立入禁止の境界線
ISOM 709 立入禁止区域
ISOM 711 通行禁止のルート
(競技者は通行禁止のルートの上を横断することは許される)
スプリント
ISSprOM 201 通行不能ながけ
ISSprOM 301 通行不能の水域
ISSprOM 307 通行不能の湿地
ISSprOM 410 411 通行不能な植生
ISSprOM 512.1 橋またはトンネルの入口(この特徴物の下を通ることは可能)
ISSprOM 515 通行不能の壁
ISSprOM 518 通行不能の柵または手すり
ISSprOM 520 立入禁止区域
ISSprOM 521 建物
ISSprOM 529 通行不能の目立つ線状特徴物
ISSprOM 708 立入禁止の境界
ISSprOM 709 立入禁止区域
ISSprOM 714 特設の建造物もしくは閉鎖区域

デカ・変更点です。mustシリーズではあるのですが、「競技者が明瞭に判断できない場合、現地に標識を置かなければならない」ということは、自分の解釈としては「レーススピードで判断できない場合、標識をつける」ということになると考えています。そのため特にスプリントでは、花壇や養生している芝生といった一瞬では判断がつかない可能性のある部分には必ず青黄テープを貼る必要があると認識しています。
これはもちろん競技者側から見れば、地図と現地の一致がしやすくなり、また意図せぬ失格を防ぐという意味で良い変更なのですが、運営的には負荷が大きく増える変更といえます。スプリントの運営ではしっかりと気をつける必要がありそうです。
あとTwitterでいつぞやか話題になってましたけど、やっぱりトンネルの入り口の上を飛び越えていいのはヤバかったみたいですね。

☆☆☆ 14.3 誘導や横断点の表示

14.3 ルートの誘導、横断するポイントおよび通行箇所は、地図および現地で明瞭に表示する しなければならない。競技者は、コース途中の誘導箇所は、すべてそれに沿って進 まなければならない

mustシリーズ。 最近は誘導が不明瞭で~という話をあまり聞かなくなりましたね。

15. コントロール位置説明

☆☆15.4 位置説明表の配布

インターバル・スタートの競技では、地図とは別にコントロール位置説明表を、そのコースの競技者にプレ・スタートまたはスタート・レーンで配布する。配布地点より前には公表しない てはならない

mustシリーズ。 昔は事前にデフを公開することもあったらしいですね。

16. コントロールの設置

☆☆☆16.3 特徴物への設置

16.3 フラッグは、コントロール位置説明にしたがって地図で示した特徴物に取り付ける。競技者が記載された場所を視界に捉えたときに、フラッグも見えるように設置する しなければならない

mustシリーズ。なかなか難しいですが、下見で見に行ってこれを実現できるところにコントロールを置くべきなんでしょうね……

☆☆☆16.4 近接コントロールの設置

16.4 地図の縮尺が、1:15000、1:10000 または1:7500 の場合は、コントロール(スタートのコントロール・フラッグを含む)は30m以内に近接して設置しないようにする してはならないコントロールの特徴物が類似している(テレイン内でも地図上でも、明確に異なっていない)場合は、コントロール間の最短直線距離は60m とする。スプリントではもっと短縮してよい。地図の縮尺が1:4000 または1:3000 の場合は、走行距離で25m、直線距離で15m 以上離す を最短とする

mustシリーズですが、今までガイドラインの方にあった「類似特徴物の場合60m離す」というルールが競技規則にお引越ししました。分かりやすくなって個人的に一番の神変更です。

☆ 16.10 コントロール保全

16.10 すべての 安全性に懸念のあるコントロールは、抜き取られたりすることがないように保全措置をとる。

新しい規則になってゆるくなった数少ない規則の一つです。 全部保全措置をとるのは厳しいよね……
ちなみにWOCはすべて保全せよとなっています。さすが。

☆☆☆☆ 16.11 レース中に判明した問題への対処

16.11 レース中に主催者がコントロールやコースの問題(パンチユニットの故障、コントロールユニットの不適切な配置、通路の閉塞など)に気付いたときは、主催者はできるだけ早く問題を修正するために、あらゆる努力を払うべきである。レース終了後、主催者は結果の公平性に対する問題の影響を考慮して、必要な措置を講じなければならない。この措置としては、結果を不成立にすることもありうる。

新たに追加された項目です。これは「対処が早ければ早いほど不成立にしないで済む可能性が上がるので頑張ろうね」的な規則と認識しています。あとは、ミスがあったけどみんな平等だし見なかったフリして放置!とかをさせないため……とか……?

17. パンチング・システム

☆☆☆17.3 競技者のパンチすることへの責任

17.3 競技者は、各コントロールにおいて、提供されているパンチ器具を使って、自分自身のカードにパンチすることに責任を持つ。1 つの機器が故障している、あるいは故障しているように見える場合は、競技者は用意されているバックアップを使用しなければならず、パンチの記録がなければ失格 順位外とする。

パンチミスは失格ではなく順位外ということになりました。詳しくは成績の章で記載されています。

☆☆☆ 17.5 パンチミスの対応

17.5 コントロール・パンチが欠落しているか不明瞭なものがある競技者は、パンチのミスが競技者の過失ではないことが立証できなければ、失格 順位外とする。競技者の過失でなければ、コントロールの係員またはカメラによる確認や、コントロール(パンチ器具)の記録を読み取ってくることで通過証明としてもよい。競技者の過失であればそのような証拠は認められず、競技者を順位外としなければならない。 従来の(接触型)SportIdent、SFR、Learnjoy の場合、以下のようになる。 ・ 競技者のパンチが速すぎてフィードバック・シグナルを受け取れなかった場合は、カードにはパンチの記録がないので、たとえステーションに競技者のカード・ナンバーが記録されているかもしれなくても、競技者は失格 順位外としなければならない。
(後略)

こちらも失格から順位外という表記になっています。

☆☆ 17.6 コントロール不通過/カード紛失の場合

17.6 コントロール・カードの紛失、コントロールの不通過、または誤った順番での通過をした競技者は、失格となる 順位外としなければならない

mustシリーズと、順位外表記への変更です。

18. 服装および器具

☆☆☆☆ 18.2 ナンバーカード

18.2 主催者は競技者にスタートナンバーカードを身に着けることを義務付けてもよい。スタートナンバーカードは、明瞭に見えるように主催者の指示にしたがって装着する。サイズは25×25cm以下で、文字は少なくとも高さ10cmとする。折り曲げたり切ったりしてはならない。

ナンバーカードの使用が主催者に委ねられたのもあるのですが、文字の最小高さの撤廃が大きいです。デジタルなパンチングシステムが一般化したので、ナンバーが遠くから明瞭に見えなくても問題無くなった、ということなのでしょうか。もしくはスポンサーロゴを紙面の中でデカく印刷したいとかもありそうですね。

☆☆☆ 18.4 通信機器の所持

主催者が許可した場合を除き、競技者はプレ・スタート 隔離ゾーン(隔離ゾーンのないときはスタート地区)に入ってからレースをフィニッシュするまでは通信機器(音声/テキストとも) 外部と情報を送受信できる通信機器を使用または携行しない してはならない。 GPS 機能を有するデバイス(時計など)は、以下の条件を満たすものであれば携行してもよい。
・ 地図表示機能と通信機能がない。
GPS データを受信する以外の通信機能がない。
・ ナビゲーション目的では使用しない。

ただし、主催者はそのような器具の使用を特に禁止することもできる。主催者は、競技者にトラッキング・デバイスおよび/またはGPS データ記録装置を携行させてもよい ることができる。

プレ・スタートからという書き方だったのが、隔離所からだめだよ~~という記述になりました。また条件も箇条書きでわかりやすくなっています。

19.スタート

☆19.1 スタート方式

19.1 個人競技は、インターバル・スタートで行う。リレー競技は、マス・スタートで行う。複合レース競技の場合は、最終レースをチェイシング・スタートで行ってもよい。

チェイシングスタートの記述が増えました。

☆☆ 19.5 スタート直後のルート選択の秘匿

19.5 スタートは、後続の競技者や他の者が、地図、コース、ルート選択あるいは最初のコントロールへの方向を見ることができないように設営する しなければならない。必要に応じて、計時を開始するスタートからオリエンテーリングを開始する地点までマークト・ルートにする。

mustシリーズ。

☆☆19.15 隔離ゾーン

19.15 主催者は、スタート前の選手がコースについての情報を得ることを防ぐために隔離ゾーンを設けてもよい。隔離ゾーンは、競技会の主催者によって許可された関係者を除き、その内にいる者は外との通信が禁じられたセキュアなエリアとして定義される。主催者は、選手およびチーム・オフィシャルが隔離ゾーンの中にいなければならない時間を定める。主催者は、隔離ゾーンで待つ選手のための適切な便宜(トイレ・給水・雨除け等)を提供することが望ましい。締切時刻を設けて、それ以降に選手またはチーム・オフィシャルが隔離ゾーンに入ることを禁止してもよい。競技者およびチーム・オフィシャルが隔離ゾーンで通信機器を使うことは許されない。 は、18.4 項で規定されている以外の通信機器を隔離ゾーンに持ち込んではならない。

隔離ゾーンの定義が細かくなりました。また、通信機器を「使ってはならない」から「持ち込んではならない」になり、より厳しくなりました。

20. フィニッシュおよび計時

☆☆ 20.5 フィニッシュタイムの計時方法

20.5 (前略) マス・スタートまたはチェイシング・スタート競技では、着順を明瞭に表すために、結果を0.1 秒単位で表示してもよい。

謎の追加。この次の規則に「計時システムは、同じクラスの競技者の相対的タイムを 0.5 秒以下の誤差で計時できるものを使用する。 」とあるので、0.1秒計時すること自体は求められてない形です。 あくまで"表示"なので、競馬とかである着順判定の写真代わりに出していいよ~ってことなんですかね。
国内で使うとしたらSIACであれば0.1秒計時に対応しているので、リレーの最終走者だけSIAC(差し込み)でやれば……という感じ。あまり現実的じゃ無いですね。

21. 成績

☆☆☆☆☆ 21.1 成績の付け方

21.1 コースを正しく走破した競技者は、成績順に並べて表示される。コースを正しく走破できなかった競技者は、成績の末尾に順位外で理由 (例: ミスパンチ、棄権、失格) とともに掲示される。

順位外の理由を記載する必要が生まれました。今まではDISQ=失格で表記を統一することがほとんどでしたが、失格ではなく順位外とした上で、理由を掲示する必要があります。
IOFの方でも、22年ごろに

“disqualified” changed to “not placed” in cases such as mispunching

という変更がありましたので、これに合わせた形です。
言われてみれば確かに、2022WOCの成績表もmispunchedとかになってましたね。

☆ 21.9 制限時間の超過

制限時間を超過した競技者およびチームには順位がつかない 順位外とする。

表記が変わりました。

☆ 21.9 結果の公表

結果は競技会の当日中にインターネットで公表する。同時にJOA にも電子的手段にて報告する。

削除されました。あまり意識したこと無い規則なので影響はないと思います。

23. 公正な競技

☆ 23.1 オリエンテーリングに関わる人間の振る舞い

オリエンテーリング競技会に関わるすべての者は、公平で誠実に、友情の精神をもって行動する しなければならないスポーツマンらしい態度と友情の精神を持つ。競技者は、他の競技者、オフィシャル、ジャーナリスト、観客および競技エリアの住民に、敬意を わなければならない。競技者はテレインではできる限り静粛にする しなければならない

若干の文章修正と、mustシリーズです。

☆ 23.4 運営者の秘密保持

開催地が公開されるまでは、すべての大会運営関係者は、競技エリアおよびテレインについて厳密に秘密を維持する しなければならない。コースについては厳密に秘密を維持しなければならない。

mustシリーズですね。

☆ 23.7 関係者の移動範囲

チーム・オフィシャル、競技者、メディア取材者および観客は、許可されたエリア内にとどま られなければならない

mustシリーズ2連。

☆ 23.8 競技者以外のテレインでの行動

23.8 コントロールの係員は、競技者を邪魔したり引きとめたり、あるいは何らかの情報を与えることをしないようにする してはならない。静寂にし、目立たない衣類を身につけて、コントロールに近づく競技者の手助けをしないようにしなければならない。このことは、テレイン内にいる他のすべての人、例えばメディア取材者にも当てはまる。

mustシリーズ、この章多いね……

☆ 23.9 競技終了後の競技者

23.9 フィニッシュ・ラインを越えたら、競技者は主催者の許可なく競技テレインに再び立ち入らないようにする ってはならない。棄権する競技者は、ただちにフィニッシュでこれを申告して、地図とコントロール・カードを提出する。棄権した競技者は、競技に影響を与えたり、他の競技者を助けるようなことをしてはならない。

mustシリーズ。

☆☆☆☆ 23.10 規則違反への罰則

23.10 いかなる規則でも違反したり、違反することで利益を得た競技者は、失格となりえる 罰則を受けうる
適用されうる罰則は以下の通りである。
・ マス・スタート形式のレースでジャンプ・スタートした場合のタイム・ペナルティ
・ 失格
・ 一定期間の競技会出場停止(JOA の倫理規程に基づいて処分を受けた場合)

つまるところ、ペナとか競技時間オーバーは順位外で、失格になるのは規則に違反したときだけだよ~ということになりました。 また、マススタートのジャンプスタートは、タイムペナルティで対応してもいいよ、という記述になりました。また競技会出場停止処分という、ドーピングなど重大な規則違反への対応と思しき内容も増えました。

ジャンプスタートは、俗に言うフライングのことです。F1やSUPER GTなどのカーレース界隈でよく使われている言葉な気がします。

☆☆☆ 23.11 主催者および裁定委員の責任

23.11 競技会の主催者、または(提訴があった場合には)裁定委員は、ブリテンでプログラムとして定義されている競技会中において、罰則を課す責任をもつ。非常に重大な規則違反があった場合、JOAの倫理規程に基づく処分の対象となる。

規則違反で有利になったり重大な違反をした選手には責任持って罰則を与えてね、ということだと思います。

27. 上訴

☆27.1 上訴の条件

27.1 裁定委員会がまだ組織されていないか、競技会が終わって裁定委員会が解散していた 既に活動を終了していた場合には、規則違反に対して上訴することができる。裁定委員会の運営に重大な手続き上の瑕疵があった場合に限り、裁定委員会の決定に対して上訴することができる。

若干表現が変わりました。 今のところ国内では上訴の事例がないので、あった場合どうなるか気になるところではあります。

気になったこと

2025年東京デフリンピックにむけて、最近日本デフオリエンテーリング協会(JDOA)が正会員になったのですが、1.6節にあるJOA会員の定義に含まれてないんですよね……まあどこかで更新されるでしょう。たぶん。

ガイドラインはまた後日で……つかれた……